平成2年1月25日。
君はこの世に生を受けた。
今、20時15分。もうすぐ君が誕生した時刻となる。
20年前の今日も、とても寒い日でね。翌日は、珍しく京阪神に大雪が降ったんだよ。
その日の朝まで、元気に母のお腹を蹴っていた君が、突然お昼くらいから全然動かなくなってしまったの。君の前に2度流産をしている母は、もしかして君までお腹の中で死んでしまったのではないかと思い、君の心音を確認するため、夕方、心配と不安とで泣きながら病院へ行ったんだよ。
電車で伊丹の病院まで行く途中、突然の破水したの。
そう、もう君は生まれる準備をしていたから全く動かなかったんだね。
タクシーをとばして病院へ着くと、すぐに陣痛が始まり、3時間ほどで君は生まれたよ。めちゃめちゃ痛かったけど、どちらかというと安産だったかな。
無事に君の顔を見たときは涙が溢れたよ。
あれから20年が経ったんだね。
母は、とても君に厳しかったね。怒ると鬼のように怖かったよね。本当にひどい母だったね。ごめんなさい。
でも、そんな母に君はいつもどんな時にも優しくしてくれたよね。
本当にありがとう。
母は君の母で本当によかったと思います。
直弥。
生まれてきてくれてありがとう。
今日からの君の人生を母は後ろからいつも見守っています。
自信を持って歩んで行ってください。
今日、二十歳になる君へ
母より