西宮ライフスキル研究会

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『友だち地獄』 空気を読みすぎる子ども達

投稿者:おっちー

東京2日目は、明治神宮「清正井」(パワースポットとして有名になりました)+築地市場+神楽坂+水道橋で、2万歩!東京は面白いです!

東京3日目は、日本教育カウンセラー学会の講演会で茗荷谷の跡見女子大へ。

目玉は、土井隆義氏の「友だち地獄」です。

1990年代の「いじめ」は過ぎ去り、今は「いじめ」を遊びでくるんだ「いじり」に変わり、被害が表に出にくくなったそうです。

それは、子ども達が仲間内で空気を読み合って過剰に気を使い合っているのが原因というのです。コミュニケーション力の定義を変えなくていいけないのかと思うほどのショックを受けました。

そこには異質なものを排除する傾向があり、異質な仲間は始めから「圏外」「そんなの関係ねぇ」と排除されていて、同質集団の中で集団を活性化するための「いじり」がかなり深刻な地獄となっているのだそうです。

さらに、価値観が多様化して、個人の中に核となる価値観がなくなったため、その「いじり」は固定的なものではなく、いつ誰が加害者になるか被害者になるか、とても流動的な状況なので不安は一層強くなっているのです。

~「空気を読む」世代のサバイバル~ が、『友だち地獄』の副題です。

本の帯には、「教室は たとえて言えば 地雷原」 という中学生の川柳が書かれてあります。

「浮いたらオシマイ!? いじめ、ひきこもり、リストカット・・・。毎日がサバイバルなケイタイ世代」 なのです。

ただただ、恐ろしいと感じました。

かつての生きづらさは抑圧的で価値観にしばられた「不自由さ」、今の生きづらさは価値の多様性からくる基盤のない「不安」なのでしょう。

どの時代にも生きづらさはあるにしても、孤独を「自分は自分」と割り切れたひと世代前とは違い、今の若者は孤独は悪いことだと考えて、友だちとつながることから「前にも進めなく、後ろにも引けない」状態なのだそうです。

心に羅針盤がなく、他者指向で、流動的な他者の空気を読もうとするので、「友だち地獄」なのです。

これは、子ども達だけのことではないと思いました。大人社会も「リレーション、リレーション、リレーション」で成り立っているからです。

日本教育カウンセラー学会の國分康孝先生が大事にしているのは、「本音の交流と、自他の発見」です。薄っぺらなつながりで苦しむくらいなら、自分を大切にしてあるがままを打ち出し、その葛藤に折り合いをつけながら、「いたしかない」と肩で風を切って進む方が、心身の健康に良いのではないか・・・と思いました。木枯らし紋次郎的な?!(古すぎた?)いえいえ、ゲシュタルト心理学的には!!

いかがでしょうか。

空気を読めない良さ、空気を読まない良さ、不器用ゆえの良さ・・・もありですよね。

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