西宮ライフスキル研究会

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四季花風姿

投稿者:よっしん

一月カレンダー写真花の苗木や野菜の種を奈良の大和農園から取り寄せ、その育ちを楽しむのも私のささやかな趣味の一つです。昨日、2011春のカタログが届きました。年末には、花のカレンダーも同封されるので、それも毎年楽しみにしています。カレンダーには、いつも写真家の前田晃さんの素晴らしい花の写真があり、そこに素敵なコメントが添えられています。

この写真は、一月のカレンダーのほんの一部です。作品の素晴らしさは到底伝えることはできないのですが、

「木の花、草の花に限らず、花をアップで撮る際、一番重要なのは、良い咲き具合の花を見つけることだ。なおかつ、背景にも気をつける必要がある。梅や桜などの花木では、花の位置が高いので、バックに木の間ごしの空が入らないようにしたい。写真ではバックに白梅を配して、紅梅の色を際立たせた」

と記してありました。白梅と紅梅のコントラスとが見事な一枚です。このコメントに私はドキッとしました。今まで花の写真を撮るときには、空の青さをどう切り取って画面に入れようかとカメラを構えていたからです。

カレンダーの最後のページにこれまた素敵なエッセーが載っていました。プロの仕事に向かう姿勢に心が熱くなりました。

「四季折々に風景と出合い、花と巡り合って、それらを写真に撮るのが私の仕事である。広い風景はそれなりの場所へ赴かなければならないが、花は自宅の庭や近所の公園でも撮ることができる。今回の写真も野山で撮ったものもあれば、庭や公園で撮影したものもある。いろいろな花にカメラを向けるが、ただひとつ切り花だけは何故か撮ってみようと思わない。部屋に飾るのは大好きだが、撮る気にならないのは、言ってみれば切り花には根っこがないからだ。
野の花でも庭の花でも、それぞれが生えている場所に適合し、四季という季節の中で、根を生やし葉を繁らせ、花を開き実をつける。そうした自然の息吹を花という被写体を通じて、表現したいと願っている。もっと年を取ればあるいは心境が変わるかもしれないが、今の所はこうした撮り方しかできないし、それを続けて行きたいと思う。
花と人とのつながりの歴史は、古くそして根強い。薬草などの実用面から詩歌の題材や絵画、工芸品の図柄など、花のモチーフは日本人に多大なインスピレーションを与えてきた。花に癒され、元気づけられる人もいるだろうし、花があることで暮らしに潤いを感じる人もいるだろう。
さまざまな花が、さまざまな所に存在するが、根っこをつけた花は、ひととき咲き誇っては、散ってしまう。そして年を変え、巡り来る季節の中でまた花をつける。人はそのたびに新たな思いで、花を愛でることができる。庭の花でも野の花でも、根っこを持った花だけにできることである。そうした花々をひとつひとつカメラに収めて行くことが、私の仕事だと思っている。
前田晃」

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