西宮ライフスキル研究会

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リレーフォーライフ

投稿者:かっしー

溜まっていた仕事を何とか2つ仕上げたのが午後6時。

リレーフォーライフでのタッチカウンセリングのブースは午後8時まで。今から行っても1時間ちょっとしか参加できない。外はどしゃぶりの雨。仕事は全て終わったわけじゃない。仲間の「休んでいいよ」。の言葉にあまえようか・・・。

いや。ダメ。行かなきゃ。何かが私の背中を押した。簡単に夕飯の準備を済ませ車に飛び乗った。

会場となる陸上競技場には悪天候にもかかわらずたくさんの人がテントを張り参加していた。走路には癌でなくなった方々への鎮魂のメッセージの刻まれたキャンドルが美しく幻想的に揺らめいていた。

タッチカウンセリングのブースにはたくさんの人が集まり、仲間たちが休む間もなくカウンセリングをしていた。途中参加で要領のわからない私がボーっと立っていると1人の女性が「今、いいですか?」と声をかけてきた。「はい。どうぞ」。と言ってインフルエンザ予防のために着けていたマスクを慌ててはずし、その女性の横にすわった。

彼女の名前はまいさん。

まいさんはとても素敵な笑顔の女性だった。私が「笑顔がとても素敵です」。と言うと「手術する前はもっといい笑顔だったのよ」。と一段と素敵な笑顔で応える。まいさんは上部咽頭癌で現在も闘病中だという。女性として顔面にメスを入れるなんて、人には言えない苦しみがあったはずなのに微塵も感じさせない。とてもとても明るい笑顔を私に向けてくれる。現在は左耳の下あたりに転移がみつかり、粒子線療法や免疫療法という治療を受けておられるという。

そんなまいさんの一番の楽しみは「社交ダンス」。20歳の頃。自分自身を好きになれなかったまいさんに自信をつけ『自分の事が好き』と思えるきっかけを作ってくれたのがその社交ダンスで、普段、身体がダルくて息切れしていても、好きな社交ダンスなら3時間くらいおどり続けても全く疲れないし最高に楽しいのだという。

「癌になんかに負けないわよ」。とびっきりの笑顔でお話して下さるまいさんを前に、私の瞳からはいくつも涙が零れ落ちた。

マッサージをする手が止まり、まいさんの手をじっと握りしめたまま、「今日、私はまいさんに会えてよかった。まいさんから一杯の勇気をもらいました。ありがとうございます。どうぞ生きて下さい。必ずまた来年。このリレーフォーライフで会いましょう」。そうお伝えすると、まいさんは「ええ。ほんとうにね。楽しかったわ。お別れにハグしましょう」。そう言って私の身体を思い切り抱きしめてくれた。

今日、私はたった一人のクライエントさんしかお相手できなかったけれど、その1人の方との出会いが私に生きることの意味を教えてくれた。今日、迷いながら行ってよかった。私はきっとまいさんに会うために会場に行ったのだと思う。

どんな困難な壁にぶつかっても、もし、私が癌だと宣告されたとしても、私は今日のまいさんのように最高の笑顔を忘れないでいたいと思う。

いつも笑顔で、楽しめる何かに情熱を向けていれば必ず癌を克服できる!!まいさんを見ていてそう思う。

まいさん。あなたに会えてよかった。

また、きっと来年このリレーフォーライフで会いましょう。

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