西宮ライフスキル研究会

ブログ

原田の森の文学館

投稿者:よっしん

神戸文学館今日は、県福祉センターで、心理アセスメントの研修会がありました。帰りに原田の森にある「神戸文学館」に立ち寄りました。ここは、1904年に関西学院のチャペルとして建てられたもので、歴史を感じる赤煉瓦造りの建物です。昨年国登録有形文化財に指定されたそうです。落ち着いた内部には、小泉八雲や遠藤周作など、神戸ゆかりの作家33名の作品や資料が展示されていました。その中で、私は竹中郁著の「私のびっくり箱」に目が止まりました。私のびっくり箱というのは、私がまだ大学生だった頃、西宮北口在住の画家津高和一さんのお宅で行われたガーデンパーティーで、津高さんから、「この方が竹中郁さんだよ」と紹介していただいたことをとても懐かしく思い出したからです。著書「私のびっくり箱」の192ページには、私が毎朝通勤途中に渡る「三笑橋」のことが書かれていました。

国鉄の芦屋駅の前を通るバスで、「苦楽園」行きというのがある。それに乗ると終点は小さい谷の橋のたもとで、その橋は、「三笑橋」という名だ。「三笑」という中国の故事は、詩人陶淵明を送って出た法師がつい話に夢中になって渡るつもりのなかった虎渓という谷をうっかり渡った。そこで三人が大笑いをしたのに由来する。絵にも描かれることが多く、大観や関雪も手がけた。その虎渓三笑からこの橋名はもらったのだ。その苦楽園の売り出し広告文に、スイスのローザンヌに似ているとかと、与謝野晶子夫妻がいっていたのもおぼえている。・・・

竹中郁さんは、「八十歳になったら画家になる」と言って、自分の随筆には挿絵をつけたそうです。神戸に生まれ育ち、終生ほとんど神戸をはなれず、神戸の風土を深く愛し続けた文学者の77年の歩みにしばし思いを馳せました。

にほんブログ村 子育てブログへ