昨日、東大寺大仏殿のクイズの答えをお知らせする予定でしたが、疲れて眠ってしまいました。楽しみにしておられた方、ごめんなさい。
では、お待たせしました。
答えです。
【第1問 】 大仏さんの鼻の穴の数は③6個です。
(解説)正面から見ると鼻の穴は2つですが、その穴を間近で覗いてみると、一つの鼻の穴に3つの穴があ いています。つまり左右で6つの穴があいているということです。大仏さんの顔の内部に入ると、鼻の穴の辺りから、6本の光の筋が内部を照らしているそうです。
【第2問 】 大仏さんの右掌がこちらを向いている意味は「施無畏印(せむいいん)」といって①「大丈夫。大丈夫。心配しなくて大丈夫」。という意味があるのだそうです。
【第3問 】 「奈良国立博物館」の玄関に大きく掲げてある看板の字を書いたのは①聖武天皇です。もちろん、聖武天皇が生きておられる時代に博物館はありませんので、直筆ではありません。聖武天皇の多く残された書物の中から「奈」「良」「国」「立」「博」「物」「館」という文字をひろい、転写させて製作されたのです。
【第4問 】 仏頭が御身体より艶がある理由は、②仏頭のみかなり年月がたってから復興されたからです。大仏殿は聖武天皇が建立後、二度大火に見舞われ、仏頭は焼け落ち、木芯を銅版で覆っただけのお姿が長く続きました。その後。そのお姿を嘆き悲しんだ公慶上人により復興に至ったのです。公慶上人は全国をたった独りでまわり、お布施をつのり現在のお姿に復興されたそうです。大仏殿も同時に再建されたのですが、その完成を楽しみにしていた公慶上人は残念ながら完成間際にこの世を去ったのだそうです。どんなにか心残りだったことでしょうね。ちょっぴり切なくなるお話でした。
これら数々の逸話をお話くださった、奈良国立博物館の学芸部長である西山さんは、奈良市内の幼稚園や小学校5年生の子どもたちに「世界遺産学習」ということで年齢に関係なく同じ話をされるそうです。。西山さんは、幼稚園児もおとなと同じように理解が出来るという理念をもっておられるのです。西山さんのお話に幼稚園児でも2時間くらい集中して聴くというから凄いですよね。それくらい西山さんのお話は興味深く楽しいのです。
西山さんたちのされている世界遺産学習は世界遺産について(about)学ぶだけでは終わらず、世界遺産を通して(through)大切なことを学び、世界遺産のために(for)何ができるかを考えるところまでいたることを目指しておられます。
お話の最後に
世界遺産について学ぶ事で、子どもたちが「人間」ばかりでなく、「自然」「過去」「未来」と「つながっている」と実感できることが大切であり、そう確信できた時、人は孤独でなくなる。人は「支え・支えられる」関係性の中で元気に大きくなることができる。
とおっしゃった言葉が心に残りました。