西宮ライフスキル研究会

2009 9月

教え子からの嬉しいお知らせ

投稿者:かっしー

 今日、教え子からとてもとても嬉しいお知らせが届きました。

「教員採用試験に合格しました!!」というお知らせです。

彼女は現在、教育大学の音楽専攻の大学院生です。

彼女は幼い時からピアノの才能を発揮し、素晴らしい演奏家に成長しました。

6年前、教育大学に進学が決まったと連絡が来たとき、正直驚きました。

私はてっきりプロの演奏家になると思っていたからです。

しかし、教師になるという決意を聞いた時、彼女は誰よりも素晴らしい先生になるだろうと思いました。

 実は彼女。小学6年生の三学期。突然不登校になってしまったのです。

成績もよく、性格も素直で、誰からも好かれる、そして信頼される子どもでした。

そんな彼女が学校へ来れなくなって、教師たちはだれもその理由がわからず、どうする手立てもみつからないままでした。

卒業式には何とか出席したものの、式が終わるやいなや振り返ることもせずに正門から小走りで出て行った彼女の後ろ姿を見送りながら、このまま卒業させてしまってはいけないと感じました。

春休み、彼女を私の家に遊びにくるよう誘いました。

私の子どもたちと一緒に笑顔で遊ぶ彼女。

夕方になり、帰る間際に私はこう彼女に話しかけました。

「さやちゃん。さやちゃんはいつもいつも頑張ってきたよね。もう、がんばらなくていいんだよ。さやちゃんはさやちゃんのままでいいの。いやなことはいやだ!!って叫んでいいよ。どんなさやちゃんでも先生さやちゃんが大好きだよ」。と

一瞬に彼女から笑顔が消え、目からは大粒の涙がこぼれおちました。

「うん。うん。もういやだって言ってる。もうがんばらない」。

そう言ってわぁ~と泣き出しました。

彼女を抱きしめながら、これが彼女を苦しめていた根源だったんだなと思いました。

 中学に進学してからは、自分をしばる言葉から自分自身を解き放つことができたのでしょう、勉強やクラブ活動を楽しみ、友人にも恵まれ、とても充実した毎日を過ごす事ができたようでした。

音楽コースのある高校に進学し、とても輝いて生きている様子を伺い知ることができました。

そして、大学進学の分岐点に立ち、プレイヤーとして生きるか、教育者となるか悩んだ挙句、彼女は教師の道を選択したのです。

国立の教育大学に進学し、卒業後、もう少し演奏を極めたいと大学院へ進学しました。

ちょうど、その時、私は大学院を修了したばかりだったので、3月末に彼女の大学院の進学と私の修了のお祝いのお食事会をしたのです。

帰り際に、彼女から「本当は直接言いたいのだけれど、言うと泣いてしまうと思うから手紙を書いて来ました。おうちに帰られてから読んでください」。と言って、手紙と一緒にとっても素敵なパールのブローチをプレゼントしてくれました。

その手紙にはたくさんの感謝の言葉が連ねられ「先生のあの時の言葉が、私の根っこにいつもあります」。と書かれていました。

そして、今日のメールには

「タフで大変な仕事が私にできるか・・・また、演奏の仕事をやめること・・・悩みましたが、私は加島先生に命の大切さと優しさを伝えてもらいました。今度は私が子どもたちに伝えていきたいと思います。先生に高校進学の時、いただいたクレージュのボールペン。自分が教師になったら使おうと大事にとっておきました。来年の春デビューします!!」。

とありました。

読みながら涙がボロボロ零れ落ちました。

さやちゃん。本当におめでとう!!

あなたなら、子どもの苦しみや悲しみを理解し寄り添える教師に絶対なれるよ。

たくさんの困難を乗り越え、超難関の中学校音楽専科の採用に一発で合格したあなたは私の誇りであり、夢です。

さやちゃん。春になったら私と同じ教師だね。

一緒に頑張っていきましょうね。

本当に、本当におめでとう。そして、ありがとう。

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原田の森の文学館

投稿者:よっしん

神戸文学館今日は、県福祉センターで、心理アセスメントの研修会がありました。帰りに原田の森にある「神戸文学館」に立ち寄りました。ここは、1904年に関西学院のチャペルとして建てられたもので、歴史を感じる赤煉瓦造りの建物です。昨年国登録有形文化財に指定されたそうです。落ち着いた内部には、小泉八雲や遠藤周作など、神戸ゆかりの作家33名の作品や資料が展示されていました。その中で、私は竹中郁著の「私のびっくり箱」に目が止まりました。私のびっくり箱というのは、私がまだ大学生だった頃、西宮北口在住の画家津高和一さんのお宅で行われたガーデンパーティーで、津高さんから、「この方が竹中郁さんだよ」と紹介していただいたことをとても懐かしく思い出したからです。著書「私のびっくり箱」の192ページには、私が毎朝通勤途中に渡る「三笑橋」のことが書かれていました。

国鉄の芦屋駅の前を通るバスで、「苦楽園」行きというのがある。それに乗ると終点は小さい谷の橋のたもとで、その橋は、「三笑橋」という名だ。「三笑」という中国の故事は、詩人陶淵明を送って出た法師がつい話に夢中になって渡るつもりのなかった虎渓という谷をうっかり渡った。そこで三人が大笑いをしたのに由来する。絵にも描かれることが多く、大観や関雪も手がけた。その虎渓三笑からこの橋名はもらったのだ。その苦楽園の売り出し広告文に、スイスのローザンヌに似ているとかと、与謝野晶子夫妻がいっていたのもおぼえている。・・・

竹中郁さんは、「八十歳になったら画家になる」と言って、自分の随筆には挿絵をつけたそうです。神戸に生まれ育ち、終生ほとんど神戸をはなれず、神戸の風土を深く愛し続けた文学者の77年の歩みにしばし思いを馳せました。

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イタリヤ・ボローニャ国際絵本原画展

投稿者:よっしん

先週の土曜日。
あっちゃんと一緒に西宮市大谷記念美術館で行われている「2009 イタリヤ・ボローニャ国際絵本原画展」に行きました。私は、この絵本展を毎年楽しみにしているファンの一人です。今年もゆったりとした館内をじっくりと回って、それぞれ五枚で組まれた豊かな物語の世界にどっぷりと浸りました。この会場では、1978年から始まった展覧会ですが、今年は61ヶ国2714名の応募があったそうです。また、特別展ではイタリヤのイラストレーターのロベルト・インノチェンティの作品も展示されていました。私とあっちゃんは、お気に入りの作品がそれぞれ違いました。可愛い絵葉書や絵本やクリアファイルをいっぱい買って幸せいっぱいの気持ちの土曜日でした。

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のべつまくなし

投稿者:おっちー

 今日は、シルバーウィークに続き、研究授業の指導案を書いていました。叩き台を書き終わって、国際理解のリーダーにメールで送り、電話で訂正する箇所を聞いてまた書き直すと、もう夕方6時でした。まだまだ完成には至っていません。

 1時間の研究授業のために、何日も考えます。指導案を何回も書き直したり、またたくさんの方と打ち合わせをしたりします。ふと・・・秋晴れの日にパソコンに一日向き合っているってどうかな・・・と思ったりしました。電話で、そのリーダーが言うには、自分も休みの日はほとんど仕事をしている、学校にも必ず1回は行くというのです。そうじゃない働き方もできるだろうけど、自分はそうしてしまう、国際理解の仲間もたいていそうだと。おしゃれでスマートな感じのリーダーの言葉が、とてもさわやかに聞こえました。                        

 以前、もう亡くなられた奈良の春日大社の葉室宮司が、阪大医学部に入るために「のべつまくなし勉強した」ということを書いておられました。何事もバランスが大切ですが、できるだけのことをするということも大切かなとも思います。

 クラスの子どもたちのことを思い浮かべながら、児童観を書き、指導観・教材観を書きました。ライフスキルプログラムから「ハートビーイング」をしようと考えています。

 単元としては、「ポジティブ ミュニケーション ~豊かな人間関係~」と立てました。「ハートビーイング」の他、「プラスのストローク マイナスのストローク」「プッカの冒険」「プロ・コン・ディスカッション」を入れました。授業を通して、子どもたちがコミュニケーション力を高め、居心地のよい学級、思いやりのある学級にしたいと願っています。

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プラスのストローク・マイナスのストローク

投稿者:かっしー

 今日、美容院へ行った。

カットをしてもらいながら、カウンセリング関連の本に赤線を引いていると

男性美容師さんから 「うちの3歳の娘なんですが、最近、毎日のようにおねしょをするんですよ。それでうちの嫁はんが毎朝娘を叱るんです。おねしょを治すいい方法はないですかねぇ?」と話かけてきた。

私が「最近、おねしょがひどくなったのですね。もしかして下にお子さんが誕生されませんでしたか?」と尋ねると

「はい。今3ヶ月の息子がいます。」とのこと。

(ははん。典型的な赤ちゃん返り・・・)

私  「3歳で最近までおねしょがなかったなんて、逆にそのほうがすごい事ですよ。うちの息子なんて5歳まで夜はオムツをしてましたら」。

美容師  「えっ?そうなんですか?」(笑)

私  「おねしょをして困るのは誰でしょう?」

美容師  「嫁はんやと思います。」

私  「どんなことに奥様が困るのでしょう?」

美容師  「布団が汚れるのが嫌だと言ってました。それに、なんでやろうと心配してました」。

私  「ここで、おねしょが誰の問題かを整理すると、一つは奥様がおねしょによって布団が汚されるのが嫌だという問題。もう一つの問題はおねしょをしなかった娘さんが急におねしょをしだしたのはなぜか心配だという問題の二つですね。」

美容師  「はい」。

私  「まず、一つ目から解決するとすれば、布団が汚れなければいいわけですよね。今、パンツ型のオムツがあるでしょ?夜だけそれをはかせるのはいかがでしょう?娘さんには、お母さんは○○ちゃんがおねしょをするとお洗濯が大変でこまるの。だから夜だけこのパンツをはいてほしいの。いいかな?と説明すれば理解してくれますよ」。

私  「二つ目。娘さんは典型的な赤ちゃん返りの状態になっていると推測されます。お母さんの目を自分に向けたいのです。子どもは愛する人から『肯定的な関わり(プラスのストローク)』が得られないと感じた時、わざと叱られるような『否定的な関わり(マイナスのストローク)』を得るような事をします。子どもにとって怖いのは母親からの無関心なのです。ですから、叱られるようなことを無意識でしてしまうのです。おねしょをした時、叱るのは逆効果で、おねしょをした時は無関心を装い、おねしょをしなかったとき、「えらかったね。お母さんとっても嬉しいわ」とおおげさなくらいほめてあげて下さい。」。

美容師  「なるほど~。うちの嫁はん。全く逆のことしてましたわ。早速今日帰ったら伝えますわ」。

美容師さん。どうぞいい子育てしてね。

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