西宮ライフスキル研究会

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教え子からの嬉しいお知らせ

投稿者:かっしー

 今日、教え子からとてもとても嬉しいお知らせが届きました。

「教員採用試験に合格しました!!」というお知らせです。

彼女は現在、教育大学の音楽専攻の大学院生です。

彼女は幼い時からピアノの才能を発揮し、素晴らしい演奏家に成長しました。

6年前、教育大学に進学が決まったと連絡が来たとき、正直驚きました。

私はてっきりプロの演奏家になると思っていたからです。

しかし、教師になるという決意を聞いた時、彼女は誰よりも素晴らしい先生になるだろうと思いました。

 実は彼女。小学6年生の三学期。突然不登校になってしまったのです。

成績もよく、性格も素直で、誰からも好かれる、そして信頼される子どもでした。

そんな彼女が学校へ来れなくなって、教師たちはだれもその理由がわからず、どうする手立てもみつからないままでした。

卒業式には何とか出席したものの、式が終わるやいなや振り返ることもせずに正門から小走りで出て行った彼女の後ろ姿を見送りながら、このまま卒業させてしまってはいけないと感じました。

春休み、彼女を私の家に遊びにくるよう誘いました。

私の子どもたちと一緒に笑顔で遊ぶ彼女。

夕方になり、帰る間際に私はこう彼女に話しかけました。

「さやちゃん。さやちゃんはいつもいつも頑張ってきたよね。もう、がんばらなくていいんだよ。さやちゃんはさやちゃんのままでいいの。いやなことはいやだ!!って叫んでいいよ。どんなさやちゃんでも先生さやちゃんが大好きだよ」。と

一瞬に彼女から笑顔が消え、目からは大粒の涙がこぼれおちました。

「うん。うん。もういやだって言ってる。もうがんばらない」。

そう言ってわぁ~と泣き出しました。

彼女を抱きしめながら、これが彼女を苦しめていた根源だったんだなと思いました。

 中学に進学してからは、自分をしばる言葉から自分自身を解き放つことができたのでしょう、勉強やクラブ活動を楽しみ、友人にも恵まれ、とても充実した毎日を過ごす事ができたようでした。

音楽コースのある高校に進学し、とても輝いて生きている様子を伺い知ることができました。

そして、大学進学の分岐点に立ち、プレイヤーとして生きるか、教育者となるか悩んだ挙句、彼女は教師の道を選択したのです。

国立の教育大学に進学し、卒業後、もう少し演奏を極めたいと大学院へ進学しました。

ちょうど、その時、私は大学院を修了したばかりだったので、3月末に彼女の大学院の進学と私の修了のお祝いのお食事会をしたのです。

帰り際に、彼女から「本当は直接言いたいのだけれど、言うと泣いてしまうと思うから手紙を書いて来ました。おうちに帰られてから読んでください」。と言って、手紙と一緒にとっても素敵なパールのブローチをプレゼントしてくれました。

その手紙にはたくさんの感謝の言葉が連ねられ「先生のあの時の言葉が、私の根っこにいつもあります」。と書かれていました。

そして、今日のメールには

「タフで大変な仕事が私にできるか・・・また、演奏の仕事をやめること・・・悩みましたが、私は加島先生に命の大切さと優しさを伝えてもらいました。今度は私が子どもたちに伝えていきたいと思います。先生に高校進学の時、いただいたクレージュのボールペン。自分が教師になったら使おうと大事にとっておきました。来年の春デビューします!!」。

とありました。

読みながら涙がボロボロ零れ落ちました。

さやちゃん。本当におめでとう!!

あなたなら、子どもの苦しみや悲しみを理解し寄り添える教師に絶対なれるよ。

たくさんの困難を乗り越え、超難関の中学校音楽専科の採用に一発で合格したあなたは私の誇りであり、夢です。

さやちゃん。春になったら私と同じ教師だね。

一緒に頑張っていきましょうね。

本当に、本当におめでとう。そして、ありがとう。

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