広島市平和記念公園で行われた平和祈念式典をテレビで観て、8時15分に一分間黙祷しました。
広島市長は、あの日の原爆を「絶対悪」と述べられました。
日常生活を送っていた30万人もの方が亡くなられ、今も原爆症と生きておられる方もいます。
7年前に私が入院手術しなければならなかった際に、勤務校の校長先生が私に一枚の手記を下さいました。
校長先生のお母さんの手記でした。
原爆の日のことが書かれてありました。
もう高齢で人前で話すことはできないとのことでした。
N校長先生は、パソコンに向かって入力作業をしていた私にさりげなくその紙を渡して、特に何を言うのでもなく去って行かれました。
12月も終わり頃、私は病休をとりもせずに終業式までの3日間を年休にし、冬休みを利用して、入院手術することにしていたのです。学級担任として学級の子どもたちを見守りたかった時期でした。それと、自分の中で病気を認めたくない気持ちがあったと思います。校長先生は、お母さんのことを通して、そんな私を力づけようとしてくださったのでしょう。
順天堂大学の樋野興夫医師は、マイナス×マイナス=プラスだとおっしゃいました。マイナス要因のある者同士が、掛け算のようにつながればようにプラスに転じる、と。
悲しいときに悲しい音楽を聴くと、静かに癒されます。
そんなことを思い出しながら、平和祈念式典にテレビの前で参列していました。
今、休職しながら観る平和式典は、これまでとはまた受ける印象が違います。
平和、命の大切さ、人の普通の暮らしを求めたい気持ちでいっぱいです。
「絶対悪」とは、何でしょう。
原爆。
兵器としての原爆。
原爆を作り出す心。持とうとする心。使おうとする心。
愛のない暗い世界。
愛のない心。