西宮ライフスキル研究会

2009 9月

 元気の気を“ちゅうにゅう!!”

投稿者:かっしー

   一年のうちで保健室が一番来室者でにぎわうのが新学期。

中でも不定愁訴(頭が痛い・お腹が痛い・なんかわからへんけどしんどい)を訴えて来室する児童は4月下旬から5月にかけて多くなる。

クラスが変わり、先生やクラスメートの顔ぶれが変わるとなかなか新しい環境に馴染めない児童が多くいて、進級するたび、保健室に頻繁に顔を見せる常連さんもいる。

そんな不安定な子どもたちに対し効果的なのがキッズオイルを使った“なでなでスキンシップ”子どもたちはこのオイルマッサージが大好きである。

 5月のある日のこと。

毎日、頭が痛いと訴えて来る男児児童がいた。

彼の名前はA君。

熱もなく、特に内科的な異常は感じない。

訴えはただ「頭が痛い。しんどい・・・」。そして教室にはいたくない。

 もしかして心かな?と感じた私が「A君。先生がA君の両腕に元気のでるマッサージしてあげようか?」と言うと、嬉しそうにうなずき、両腕を前に差し出す。

「今から先生の元気の気をこのオイルにこめます」。と言って、キッズオイルを両手で混ぜ混ぜしながら温め、そのオイルをA君の左腕にスーと馴染ませると「あぁ気持ちいい」。と一言。

左腕・手の甲・指・掌、そして右腕・手の甲・指・掌と優しくマッサージする。

そして、最後に私の両手でA君の手首をキュッと握り、「今から、先生の元気の気をA君に注入します。いい?いくよ」。

心の中で「元気がでますように」と念じながら「注入~!!」と叫ぶ。

すると、A君の顔がパーッと明るくなり「うん元気が出てきた。教室行くわ」。と教室に帰って行った。

不思議なことに、A君はその後一度もしんどさを訴えて保健室へ来ることはない。

心の不安を訴える子どもたちに、これからもいっぱい“なでなで”してあげよう。

だって、子どもは“なでなで”が大好きだから。

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うちのお姉ちゃんの病気は・・・ビキニです!!

投稿者:かっしー

P9170075今日、保健室で3年生の児童対象に病気の予防についての保健指導をしました。

まず、導入で「みんなの知っている、もしくはかかったことのある病気にはどんなものがありますか?」と質問しました。

「インフルエンザ」「かぜ」「おなかいた」「あたまいた」などなど身近な病気の名前がでてきます。でも、難しい質問だったのでしょう、それ以上の病名は出てきません。

そこで、「自分がかかった病気じゃなくても家族の人とかお友だちがかかった病気でもいいよ」。と言うと、1人の男の子が「はい!はい!はい!」と思い切り手をあげ自信満々にこう答えました。

「僕のお姉ちゃんの病気はビキニです!!」

一瞬。その場にいた全員が「えっ?」という顔で沈黙・・・。

しばらくして、私が「もしかして、それ“ビキニ”じゃなく“にきび”?と言うと、彼はしまったという顔で「あっ。そうそう僕よく間違えねん」。と一言。全員大爆笑でしばらく授業が中断しました。

ばつ悪そうな彼に「ありがとう。先生。最近こんなに笑ったことないわ。今の発表最高に良かったわ」。というと、照れ笑いしながらその後も積極的に発言してくれました。

彼のその発言が呼び水となり、その後子どもたちから「便秘」「下痢」「花粉症」などさまざまな病気の名前が出てきました。

保健室で授業をすると、普段はけがや病気の時しか来ない子どもたちの別の顔が見られてとても楽しいです。

今日のO君の発言はずっとこれからも忘れられないだろうなと思います。

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書籍販売第1号!!

投稿者:かっしー

 今、パソコンのメールを開いたら、1件、書籍の申し込みが入っていました!!

西宮ライフスキル研究会のサイトを公開して初めてのお客様です。

私たちのこの本は自費出版なので書店には並んでいません。

何とか遠方の方にもこの本を知ってもらいたい。その願いでこのサイトを作成しました。

ようやく、念願叶いました。

今回、ご注文いただいた方は四国にお住まいの方です。

早速送らせていただきます。どうぞご活用ください。

そしてご意見・ご感想などもお寄せいただけたら嬉しく思います。

ほんとうにほんとうにありがとうございます。

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あなたはあなたが好きですか?

投稿者:かっしー

夏休みに尼崎で200名を超える先生たちと、ライフスキルのワークショップを開催した。

和やかに進むエクササイズの終盤。

私の自尊感情についてのレクチャーに続き、グループ内で「私は私が好きです。なぜならば○○だからです」。と言い合うワークをした。

ワークショップが終わって、皆さんにシェアリングカード(ふりかえり)を書いてもらったのだが、それを読むと一番多かった感想が次のような意見だった。

『「私は私が好きです」のワークが一番難しかった。自分の事を好きと思えない自分に気がついた』

『自分の事を好きなんて考えた事がない』

『自分を全部肯定するのは難しい。「ここは好きです。でもここはキライです」なら言える』

というような自己肯定ができないという意見であった。

とても正直な感想だと思う。

私は10年前、人間関係に悩み、子育てに悩み、なんとか自分を変えたいとカウンセリングを受けたことがある。その時、言われた言葉。

「あなたはあなたが好きですか?そんな辛い人生を精一杯生きてきた自分をほめてあげなきゃ。自分のことをもっと好きになってください」。だった。

自分のことを好きになる?何それ?絶対無理。だって私は私が大嫌いだもの・・・

その時の私はそのカウンセラーの言葉を容易に受け入れることはできなかった。

でも、「自分を好きになれたら・・・変われるかもしれない・・・」ただ漠然とそう感じていた。

その後、私はある研修会で「交流分析」と出合った。

その時学んだエリック・バーンの言葉に心動かされた。

「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来」

そう。私はいつも「あの人がこうだったらいいのに・・・。あの時こうだったらうまくいってたのに・・・」と自分のことは棚に上げ、いつも他人のせいにして、過去ばかり振り返っていた。

私はこのエリック・バーンの教えの通り、自分と未来を変えたい。そう思った。

どうしたらそんな自分になれるのだろう・・・。その時、ふと頭に浮かんだのが、あのカウンセラーの言葉「あたなはあなたが好きですか?」だった。自分を好きになれたら、自分を変えることができるかも知れない。未来が変わるかも知れない。

まずは自分を好きになろう。そこから人生をやり直そう。そう決意した。

「交流分析」の次に学んだのが、國分康孝氏の「構成的グループエンカウンター」だった。この構成的グループエンカウンターとの出会いが、現在のライフスキルプログラムの開発に大きく影響している。

構成的グループエンカウンターが一番大切にしているのが「一期一会」「心と心の垣根をつくらないふれあい」である。知らない人とグループをつくり、たくさんのワークをこなした。安心・安全な場の中で、人に話を聴いてもらう。人の話を聴く。一緒に知恵を出し合いながら問題を解く。などの作業がとても心地よく。ここでは失敗してもいいんだ。泣いても笑ってもいいんだ。どんな自分でも認めてもらえるんだ。そう感じさせてくれるのがエンカウンターの良さ、つまりグループダイナミックスだった。

何日も何日もセミナーに参加し、ある日のワークの最後が「私は私が大好きです。なぜならば○○だからです」。と伝え合うワークだった。

みんなそれぞれ自分の好きなところを宣言した。そして私の番が来た。私は今までに覚えた事のない感情が身体の内側からあふれ出て来くるのを感じた。そしてついに宣言した「私は私が大好きです。なぜならば、どんな辛いことがあっても、どんな辛い人生でも、一生懸命生きてきた、私は私が大好きです!!」と。

初めて自分の事を好きだと感じた瞬間だった。涙が溢れた。

グループのみんなも泣いていた。そして心からの拍手を私に贈ってくれた。

あれから10年。

ずっと「私は私が大好きです。嫌な自分も全部含めて私は私が大好きです」。いつもそう思う。

ある人がこう言った「良いものの周りには良いものが集まる」。

つまり、自尊感情の高い人の周りには人が集まるという意味なのだそうだ。

なぜなら自尊感情の高い人と一緒にいると居心地がいいから。確かにそうかも知れない。

私の周りには素敵な人たちがたくさん居てくれる。素敵な出会いがいつもいっぱいある。

そんな自分が大・大・大好き。

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リレーフォーライフ

投稿者:かっしー

溜まっていた仕事を何とか2つ仕上げたのが午後6時。

リレーフォーライフでのタッチカウンセリングのブースは午後8時まで。今から行っても1時間ちょっとしか参加できない。外はどしゃぶりの雨。仕事は全て終わったわけじゃない。仲間の「休んでいいよ」。の言葉にあまえようか・・・。

いや。ダメ。行かなきゃ。何かが私の背中を押した。簡単に夕飯の準備を済ませ車に飛び乗った。

会場となる陸上競技場には悪天候にもかかわらずたくさんの人がテントを張り参加していた。走路には癌でなくなった方々への鎮魂のメッセージの刻まれたキャンドルが美しく幻想的に揺らめいていた。

タッチカウンセリングのブースにはたくさんの人が集まり、仲間たちが休む間もなくカウンセリングをしていた。途中参加で要領のわからない私がボーっと立っていると1人の女性が「今、いいですか?」と声をかけてきた。「はい。どうぞ」。と言ってインフルエンザ予防のために着けていたマスクを慌ててはずし、その女性の横にすわった。

彼女の名前はまいさん。

まいさんはとても素敵な笑顔の女性だった。私が「笑顔がとても素敵です」。と言うと「手術する前はもっといい笑顔だったのよ」。と一段と素敵な笑顔で応える。まいさんは上部咽頭癌で現在も闘病中だという。女性として顔面にメスを入れるなんて、人には言えない苦しみがあったはずなのに微塵も感じさせない。とてもとても明るい笑顔を私に向けてくれる。現在は左耳の下あたりに転移がみつかり、粒子線療法や免疫療法という治療を受けておられるという。

そんなまいさんの一番の楽しみは「社交ダンス」。20歳の頃。自分自身を好きになれなかったまいさんに自信をつけ『自分の事が好き』と思えるきっかけを作ってくれたのがその社交ダンスで、普段、身体がダルくて息切れしていても、好きな社交ダンスなら3時間くらいおどり続けても全く疲れないし最高に楽しいのだという。

「癌になんかに負けないわよ」。とびっきりの笑顔でお話して下さるまいさんを前に、私の瞳からはいくつも涙が零れ落ちた。

マッサージをする手が止まり、まいさんの手をじっと握りしめたまま、「今日、私はまいさんに会えてよかった。まいさんから一杯の勇気をもらいました。ありがとうございます。どうぞ生きて下さい。必ずまた来年。このリレーフォーライフで会いましょう」。そうお伝えすると、まいさんは「ええ。ほんとうにね。楽しかったわ。お別れにハグしましょう」。そう言って私の身体を思い切り抱きしめてくれた。

今日、私はたった一人のクライエントさんしかお相手できなかったけれど、その1人の方との出会いが私に生きることの意味を教えてくれた。今日、迷いながら行ってよかった。私はきっとまいさんに会うために会場に行ったのだと思う。

どんな困難な壁にぶつかっても、もし、私が癌だと宣告されたとしても、私は今日のまいさんのように最高の笑顔を忘れないでいたいと思う。

いつも笑顔で、楽しめる何かに情熱を向けていれば必ず癌を克服できる!!まいさんを見ていてそう思う。

まいさん。あなたに会えてよかった。

また、きっと来年このリレーフォーライフで会いましょう。

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